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備忘録、採点表

書籍

エデン2185 / 竹宮恵子

⭐️⭐️⭐️ 竹宮恵子のコミカルSF「私を月まで連れてって」から派生した、壮大な宇宙船の年代記。 エデン2185 竹宮惠子 eBookJapan Plus 円 Amazonで購入書評

ニシノユキヒコの恋と冒険 / 川上弘美

⭐️⭐️⭐️ 「女の人をきちんと愛せない」のに、落とし方、キスやセックスのテクニックは天才的、別れても何故か憎めないシスコン「ニシノユキヒコ」あるいは「西野幸彦」と関わった女性たちの物語。こんな都合のいい男がいるのか、と男性作家が書いたら袋叩きに…

シュガータイム / 小川洋子

⭐️⭐️ 初期作品ながらのちの小川洋子らしさはある。終盤が凡庸。 シュガータイム 小川洋子 中央公論社 520円 Amazonで購入書評

スター・レッド / 萩尾望都

⭐️⭐️⭐️⭐️ 出色のキャラクター、レッド・星(セイ)を主人公とした、壮大なSF漫画。萩尾望都先生の代表作の一つ。 スター・レッド 萩尾望都 小学館 840円 Amazonで購入書評

The Crossing / Cormac McCarthy

⭐️⭐️⭐️⭐️ コーマック・マッカーシーの代表作「国境三部作」の第二部。前作と別の少年を主人公に、更に陰鬱な受難の旅が描かれる。文章も内容も極端に難解で濃密、安易な読解を作者が拒否しているかのようだ。 The Crossing: Book 2 of The Border Trilogy Co…

おめでとう / 川上弘美

⭐️⭐️⭐️ ほっこり明るく深々しみる、よるべない恋の十二景、という文庫版裏表紙のアオリがうますぎて、それ以上書くことがない。川上弘美の初期のゆるさを引きずっている短編集 おめでとう 川上弘美 新潮社 420円 Amazonで購入書評

半神 / 萩尾望都

⭐️⭐️⭐️⭐️ 萩尾望都の短編集。わずか16Pの中に、シャム双生児の姉妹の痛切な哀しみを描いた表題作は、萩尾望都の短編の中でも傑出した傑作。他はSF&ファンタジーが殆ど、「ハーバル・ビューティ」「酔夢」「偽王」あたりがいい。 半神 萩尾望都 小学館 円 …

水声 / 川上弘美

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 川上弘美の比較的最近の作品。姉と弟の5五年間を第一軸とし、主人公の心を支配し続けるママを第二軸とした禁断の物語。 水声 川上弘美 文藝春秋 円 Amazonで購入書評

イー・イー・イー / タオ・リン

⭐️⭐️ ポストモダンと言えなくもないが、ネット弁慶の戯言に過ぎないという感じもする。台湾系アメリカ人タオ・リンがひがみ根性丸出しで描くゼロ年代アメリカ。 イー・イー・イー タオ・リン 河出書房新社 1512円 Amazonで購入書評

椰子・椰子 / 川上弘美

⭐️ 川上弘美とイラストレーター谷口マオのコラボ。うそ日記、うそ小話、シュールとまでも行かないレベルの低い話ばかり。関西弁をバカにしてるところが気に入らない。残念。 椰子・椰子 川上弘美 新潮社 500円 Amazonで購入書評

思い出を切りぬくとき / 萩尾望都

⭐️⭐️⭐️ モー様こと萩尾望都先生のユーモラスなエッセイ集。望都様の名前の秘密が明かされる、というほどてもないが、面白い。締めるところは締めるのはさすが。 思い出を切りぬくとき 萩尾望都 河出書房新社 599円 Amazonで購入書評

サロメ / オスカー・ワイルド

⭐️⭐️⭐️⭐️ 以前原田マハのサロメを読んで、押さえておかねばと思っていた。原点となるエピソードは最初にあるが、それを狂恋の戯曲に変えたワイルドはやはり天才、そして邦訳はやはりこの人、福田恆存。 サロメ ワイルド 岩波書店 378円 Amazonで購入書評

ちぐはぐな部品 / 星新一

⭐️⭐️⭐️⭐️ ショートショートの名手星新一の作品30編を収録。「殺し屋ですのよ」等からまだ短編集に収録していなかった作品を集めているので雑多な内容となっているのでこの題名にしたとあとがきで書いておられる。しかしクオリティは驚くほど一定していてさす…

溺レる / 川上弘美

⭐️⭐️ 「神様」 の次に来る1999年の短編集。川上弘美流世界観の面妖度はますます嵩じ、一方であいかわらずよく食べよく飲む。文体は確立されてきているが、内容の無さに比べて文学賞取りすぎの感は否めない。 溺レる 川上弘美 文藝春秋 450円 Amazonで購入書評

トリスタン・イズー物語 / ベディエ編、佐藤輝夫訳

⭐️⭐️⭐️⭐️ 聞きなれない題名かもしれないが楽聖ワーグナーの歌劇「トリスタンとイゾルデ」の原典にもなった中世有数の悲恋物語である。このベディエ編はベルールの三千行詩を骨子とした恋愛に重きを置いた編集となっている。さすが岩波文庫版、佐藤輝夫氏の訳…

失われた世界 / コナン・ドイル

⭐️⭐️⭐️⭐️ コナン・ドイルは推理小説だけでなく、SF文学の祖でもあった。ホームズに負けず劣らず濃いキャラの連中が繰り広げるジュラパ的冒険譚は今でも色褪せない面白さだ。良くも悪くも七つの海を支配していた大英帝国ならではの小説だが、構成に与えた影響…

神様 / 川上弘美

⭐️⭐️ 川上弘美のデビュー作「神様」を筆頭にした九編の短編集。くまにさそわれて散歩に出る。のはいいけれど、気の抜けたサイダーのようなちょっと物足りない寓話集。 神様 川上弘美 中央公論新社 480円 Amazonで購入書評

貴婦人Aの蘇生 / 小川洋子

⭐️⭐️⭐️ 小川洋子流「閉じた世界」が今回はロマノフ王朝を通じて現実界とつながっている。その扉の鍵は「蘇生」という言葉。 貴婦人Aの蘇生 小川洋子 朝日新聞社 525円 Amazonで購入書評

センセイの鞄

⭐️⭐️⭐️⭐️ 川上弘美初挑戦、まずは一番有名なこの作品から。ゆる~い感じが良い作品。江國香織とお互いを意識しているそうだが、この作品はどこか梨木香歩に近い感じがする。ゆるい感じで章を重ねてきて、最後にこの文章は見事。 「そんな夜には、センセイの…

がらくた

⭐️⭐️⭐️ 江國香織独特の恋愛小説。最初の恋愛小説「きらきらひかる」から16年の歳月が流れ、江國香織の文章は成熟し過ぎたきらいがある。主人公の言葉を借りれば、ある種の完璧=A kind of perfect = UNIQUE な小説。 息を吐くように恋情やセックスを文章にす…

All The Pretty Horses / Cormac McCarthy

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ Cormac McCarthy(コーマック・マッカーシー)の代表作「Border Trilogy:国境三部作」の第一部、邦訳名「すべての美しい馬」。主人公たちの波乱万丈の行動と受難を描く三章と、それを「Fate」と「Responsibility」の問題として洞察する最終章の…

オールド・テロリスト / 村上龍

⭐️⭐️⭐️⭐️ 村上龍の2015年の長編小説の待望の文庫化。80万人の中学生が不登校化した「希望の国のエクソダス」の続編的作品で、今回は70-90台の老人が日本を一旦リセットするためにテロリストとなる世界を描いている。東日本大震災の原発事故も暗い影を落とし…

夕方らせん / 銀色夏生

⭐️⭐️⭐️ 詩人銀色夏生さんの珍しい短編小説集。やっぱり詩人らしい文章が心地良い。 夕方らせん 銀色夏生 新潮社 円 Amazonで購入書評

ターゲット / 清水義範

⭐️⭐️ パスティーシュの名手清水義範のホラー集。怖いけどあまり面白くない。それにしても清水は猿蟹合戦が好きだな。 ターゲット 清水義範 新潮社 500円 Amazonで購入書評

神を見た犬 / プッツァーティ、関口英子訳

⭐️⭐️⭐️⭐️ プッツアーティの短編集で、岩波文庫版の脇功氏訳と、この光文社関口英子さん訳の翻訳比べをしてみた。詳細は下記書表参照してください。脇氏未収録の中にもたくさん面白いものがあったが、海洋版「タタール人の砂漠」というべき、「戦艦<<死>>」は…

七人の使者 神を見た犬 他十三篇 / プッツァ―ティ 脇功訳

⭐️⭐️⭐️⭐️ イタリア文学の名翻訳者脇功氏が亡くなられたそうである。享年82歳とお聞きする、謹んで哀悼の意を捧げたい。合掌。 そんな氏の簡潔明瞭で時代を経ても古びない、そしてイタリア語を彷彿とさせる柔らかさも持ち合わせた名訳を楽しめるのが、イタリ…

ぬるい眠り / 江國香織

⭐️⭐️⭐️ 江國香織の短編集で、1989年から2003年までの作品があるので質量ともばらつきはあるが、表題作がやはりよい。その他には「きらきらひかる」の続編「ケイトウの赤、やなぎの緑」、「清水夫妻」、「とろとろ」あたりが読みどころ。 ぬるい眠り 江國香織…

My Twentieth Century Evening and Other Small Breakthroughs / Kazuo Ishiguro

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 2017年度ノーベル文学賞を受賞したKazuo Ishiguro(カズオ・イシグロ)のノーベル賞記念講演録が早くも出版された。自らの出自を振り返るとともに、デビュー作「遠い山なみの光」、転機となった幾つかの作品(「日の名残り」「わたしを離さないで…

ことり / 小川洋子

⭐️⭐️⭐️⭐️ 小川洋子らしい無名性の世界の中で描かれる小鳥の小父さんの一生。 ことり 小川洋子 朝日新聞出版 626円 Amazonで購入書評

超・殺人事件 - 推理作家の苦悩 / 東野圭吾

⭐️⭐️⭐️ 東野圭吾のユーモア短編集。これに出てくる高機能読書マシン・ショヒョックスに『甘口』モードと『酷評』モードで書評を書いてもらおう。下記のリンク先書評サイト「本が好き」に書いてます。。 超・殺人事件―推理作家の苦悩 東野圭吾 新潮社 460円 A…