2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 佐藤亜紀を読むシリーズもこの作品でついに(小説は)終了である。2016年の「吸血鬼」。参った。ひれ伏す思い、とはこのことだ。 この物語は限りなく陰鬱で限りなく寒々として限りなく残酷で限りなく狡猾で、そして限りなく美しい。至高の佐藤亜…
⭐️⭐️⭐️ 提督とあかつき姐さんがレビューしてたので、興味を惹かれた。なんにせよ、恩田陸さんだし。 ちなみに題名は「ゆめたがい」ではなく、「ゆめちがい」だそうだ。終章で出てくるある有名な仏像の名前から題名がとられていると考えてよいと思う。となる…
⭐︎⭐︎⭐︎ 今のところ、「天使」のスピンオフ集「雲雀」を除けば唯一の短編集である。例によって舞台はフランス革命前後の欧州がメインだが、珍しく当時の新天地アメリカも登場する。もちろん佐藤亜紀流で、ではあるが。なお本作も本文中では余計な説明一切なし…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 村上春樹の初期短編集で、特に「蛍」は好きな作品である。この作品はよく知られているように、後に大ベストセラーとなった「ノルウェイの森」の導入部に丸ごと底本として使われた短編である。 しかし、その膨らませ方は私にはあまり好ましいものと…