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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Memory Wall / Anthony Doerr

⭐️⭐️⭐️⭐️ 2002年に短編集「The Shell Collector」でデビューし、最新作でピュリッツァー賞を受賞したAnthony Doerrであるが、2018年末までの著作は下記四作品と寡作である(エッセイを除く)。 長編: About Grace(2004)(未邦訳) All The Light We Cannno…

昨日がなければ明日もない / 宮部みゆき

⭐️⭐️ 宮部みゆきの杉村三郎シリーズ第五弾。私立探偵になって初めての「希望荘」に続き再び短編集で出版された。昨年末の単行本化なのでようやく現在まで追いついたことになる。 杉村三郎vs.“ちょっと困った”女たち。自殺未遂をし消息を絶った主婦、訳ありの…

希望荘 / 宮部みゆき

⭐️⭐️⭐️⭐️ 宮部みゆきの杉村三郎シリーズ第四弾。「誰かーSomebody」「名も無き毒」「ペテロの葬列」長編三部作において、巨大コンツェルンの入り婿という「ドールハウス(解説杉江松恋氏の表現)」から、何故か事件に巻き込まれる運の悪い一市井人杉村三郎が…

楽園 / 宮部みゆき

⭐️⭐️⭐️⭐️ 大作「模倣犯」はあまりにも登場人物が多く、一人一人取り上げていくとレビューが煩雑になるため、敢えて言及しなかったキャストも多かった。その一人に、前畑滋子というフリーライターがいた。事件を追いかけるルポライターとなり、主犯のピースこ…

ペテロの葬列 / 宮部みゆき

⭐️⭐️⭐️ 宮部みゆきの杉村三郎シリーズ第三弾にして文庫本上下巻に渡る大作。「ペテロの葬列」という題名のうち、ペテロはレンブラントの名画「聖ペテロの否認」に描かれたイエスを裏切った弟子ペテロである。葬列とは被害者が加害者になり連綿と続く悪の連鎖…