Count No Count

続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

South of the Border, West of the Sun / Haruki Murakami

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 村上春樹の「国境の南、太陽の西」の英訳版。訳者はこれが初めての長編だったPhilip Gabriel氏。村上春樹氏の作品中最高のファム・ファタール、島本さんを英語で堪能できる。 South of the Border, West of the Sun HarukiMurakami Vintage 1101円 …

森崎書店の日々 / 八木沢里志

⭐️⭐️⭐️ 失恋した女性が、苦手と思っていた古書店を営む叔父に心癒されていく物語。古書店を扱った作品の中ではかなり好きな作品の一つ。映画では内藤剛志さんと菊池亜希子さんが好演されていた。 森崎書店の日々 八木沢里志 小学館 500円 Amazonで購入書評

雲雀 / 佐藤亜紀

⭐️⭐️⭐️⭐️ 「天使」の世界を補完する短編集。なので、ずっと読み易く、分かりやすいが、佐藤亜紀独特の文体と世界観は変わらない。傑作。 雲雀 佐藤亜紀 文藝春秋 600円 Amazonで購入書評

Cities of the Plain / Cormac McCarthy

⭐️⭐️⭐️⭐️ Cormac McCarthyのBorder Trilogy最終作。カウボーイ終焉の時代を背景に、前二作の主人公の友情と悲劇が描かれる。アディオスBilly、そしてJohn Gradyよ静かに眠れ! Cities of the Plain CormacMcCarthy Picador 円 Amazonで購入書評

銀の三角 / 萩尾望都

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 萩尾望都SFの最高峰にして超難解かつ美しい傑作。 銀の三角 萩尾望都 白泉社 650円 Amazonで購入書評

天使 / 佐藤亜紀

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 気を許せば脳を燃やしてしまう火酒のような文章。知性と教養を強要する内容。思惟できない低能な者は読まなくていい、とでも言いたげな高慢なまでの読者への挑戦。大好物だ。ちなみにこれでもSF。 天使 佐藤亜紀 文芸春秋 620円 Amazonで購入書評

10月の少女たち / 萩尾望都

⭐️⭐️⭐️ 萩尾望都の1970年代の短編集。初期故にさすがに絵もストーリーも少女漫画してる。そんな中でも「精霊狩り」シリーズが魅力。解説はなんと吾妻ひでおしぇんせい! 10月の少女たち 萩尾望都 小学館 710円 Amazonで購入書評

中世騎士物語 / ブルフィンチ、野上弥生子訳

⭐️⭐️⭐️⭐️ アーサー王伝説を中心とした中世騎士物語の成立とその概要を理解するのに適した良書。「アーサー王の死」だけでなく「マビノジョン」も収録されているのが嬉しい。翻訳はなんと故野上弥生子女史、さすがの文章だ。 中世騎士物語 ブルフィンチ 岩波…

真鶴 / 川上弘美

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 夫に失踪された女が、現実界東京と「もてあそぶほど死は遠くにない」場所真鶴を「後ろについてくる」女と行き来する、私にはおそらく永遠に読み解けない物語だが、そうであっても戦慄さえ覚える。川上弘美の代表作と言って過言ではない傑作。 真…

となり町戦争 / 三崎亜紀

⭐️⭐️ 三崎亜紀が小説すばる新人賞を受賞した作品で映画化もされたが、映画は酷いものだった。原作はそれに比べるとよくできていた。とはいうものの文章が生硬すぎる。 となり町戦争 三崎亜記 集英社 500円 Amazonで購入書評

エデン2185 / 竹宮恵子

⭐️⭐️⭐️ 竹宮恵子のコミカルSF「私を月まで連れてって」から派生した、壮大な宇宙船の年代記。 エデン2185 竹宮惠子 eBookJapan Plus 円 Amazonで購入書評

ニシノユキヒコの恋と冒険 / 川上弘美

⭐️⭐️⭐️ 「女の人をきちんと愛せない」のに、落とし方、キスやセックスのテクニックは天才的、別れても何故か憎めないシスコン「ニシノユキヒコ」あるいは「西野幸彦」と関わった女性たちの物語。こんな都合のいい男がいるのか、と男性作家が書いたら袋叩きに…

シュガータイム / 小川洋子

⭐️⭐️ 初期作品ながらのちの小川洋子らしさはある。終盤が凡庸。 シュガータイム 小川洋子 中央公論社 520円 Amazonで購入書評

スター・レッド / 萩尾望都

⭐️⭐️⭐️⭐️ 出色のキャラクター、レッド・星(セイ)を主人公とした、壮大なSF漫画。萩尾望都先生の代表作の一つ。 スター・レッド 萩尾望都 小学館 840円 Amazonで購入書評