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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ドミノ IN上海 / 恩田陸

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ こういう時節ですから、お気楽脳天気な作品を。。。 こういう時節に中国が舞台の作品をレビューしてどうする、という声も聞こえますが。。。 めげずにいきます! 「蜜蜂と遠雷」で直木賞を獲ってしまい、すっかり真面目な作家だと思われてしまって…

ままならないから私とあなた / 朝井リョウ

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 朝井リョウを読むシリーズ、今回は「ままならないから私とあなた」です。2016年の作品で昨年文庫化されました。 「レンタル家族」 「ままならないから私とあなた」 の二作が収録されています。なお単行本化されるにあたり「ままならないから私とあ…

MISSING 失われているもの / 村上龍

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 私の世代には絶大な影響力のあったW・MURAKAMIの一人村上龍の、 「オールド・テロリスト」以来5年ぶりの長編となります。 1976年の衝撃のデビュー作「限りなく透明に近いブルー」以来、殆どの小説につきあってきましたが、今回は本当に驚きました…

もういちど生まれる / 朝井リョウ

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 朝井リョウを読むシリーズ、今回は2011年の「もういちど生まれる」です。大学4年時に書かれた「星やどりの声」(2010)の一年後、西加奈子さんの解説によると、サラリーマンと作家の兼業時代の作品ですが、前作から著しい進境を見せていると感じま…

バベル九朔 / 万城目学

⭐︎ 面白くてサクサクっと読める本がないかな、と探していてみつけたのがこの文庫本。モリミーのライバル、マキメーこと万城目学の「バベル九朔」です。2016年の作品で、昨年文庫化されました。 俺は5階建ての雑居ビル「バベル九朔」の管理人をしながら作家を…

約束された移動 / 小川洋子

⭐︎⭐︎⭐︎ 久々の小川洋子。去年末に出た新刊です。 「ブクレコ」や「本が好き!」などで私はこれまで、 「静謐で美しい」 「どこか狂っている世界」 「独特のエロティシズム」 「小川洋子は細部に宿る」 といった表現で小川洋子を評価してきました。 今回も例…

失われた時を求めて 7 / マルセル・プルースト、吉川一義訳

⭐︎⭐︎⭐︎ 前回レビューに書きましたように、高遠弘美氏訳の光文社古典新釈文庫版「失われた時を求めて」は現在第六巻までしか刊行されていません。そこで、せめて第三篇「ゲルマントのほう」だけでも読みきっておこうと思い、進行を同じくする岩波文庫版で第七…

星やどりの声 / 朝井リョウ

⭐︎⭐︎ 朝井リョウを読むシリーズ、今回は「星やどりの声」です。 星になったお父さんが残してくれたもの―喫茶店、ビーフシチュー、星型の天窓、絆、葛藤―そして奇跡。東京ではない海の見える町。三男三女母ひとりの早坂家は、純喫茶「星やどり」を営んでいた…