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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Hyde / Daniel Levine

⭐︎⭐︎⭐︎ スティーヴンソンの名作「The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr.Hyde」をHyde氏側から描いた小説。原作が画期的な名作だったのでそこそこの作品にはなっているだろうとは思ってはいたが、かなりよく考え抜かれた面白い小説になっていた。 作者はDan…

クレオパトラの夢 / 恩田陸

⭐︎⭐︎ オネエ喋りの神原恵弥(めぐみ)シリーズ第二弾。「MAZE」があまり面白くなかったので、随分ほったらかしにしてあったが、やっと読んだ。 恩田陸と言えば「大風呂敷広げ過ぎの畳み忘れ」が特徴なのだが、これは逆。前半思わせぶりにいろんな謎を散りば…

展覧会の絵 / イリーナ・メジューエワ

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 先日紹介したメジューエワさん自身の著書で解説されていた、ショパンの「別れの曲」とムソルグスキーの「展覧会の絵」が入っているライブアルバム。彼女の大好きな魚津の新川文化ホールでのライブ録音で時系列で言えばこの作品が本邦での初ライブア…

神様のボート / 江國香織

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ あり得ないような設定をするっと読ませてしまう江國香織。今回はちょっと狂気を孕んだ母葉子と普通の娘草子の物語。二人の語りが交互に入り、娘の成長とともに少しずつ少しずつ二人の心の距離が開いていくところが読みどころで、最後の一文まで気…

落下する夕方 / 江國香織

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 久々の江國香織の小説は慈雨のように私の心を満たした。 原田知世と菅野美穂の共演で映画化された作品「落下する夕方」です。映画は率直なところ凡庸な出来で、不思議な、というか妙な雰囲気で、この二人の魅力が今一つ伝わってきませんでした。こ…

ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ / イリーナ・メジューエワ

⭐︎⭐︎⭐︎ ロシア出身で現在は日本在住の名ピアニスト、メジューエワさんのピアノ曲解説本。ピアニストの視点からの解説はさすがに鋭い。 とは言え、彼女は日本語で文章は書けないので、編集者と家人の力を借り、語りのセッションを9回繰り返して完成させたそう…

ブライトの憂鬱 / 竹宮恵子

⭐︎⭐︎⭐︎ 竹宮惠子の名作「私を月まで連れてって!」のスピンオフ作品。あの名脇役おヤエさんの息子ブライトの憂鬱な日々。何故に? 以前竹洗会推薦の「エデン2185」をレビューしましたが、今回はもう一つのスピンオフ作品「ブライトの憂鬱」を読んでみました…

夜は短し歩けよ乙女 (DVD)

⭐︎⭐︎ 森見登美彦の代表作と言える人気作品「夜は短し歩けよ乙女」のアニメ映画化。去年公開時見逃していてようやくDVDで観た。 うーん、映画館で金払って見なくて良かった、というのが正直な感想。シュールでコミカルな原作の雰囲気を画風で再現しようとした…

李鷗 / 高村薫

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 高村薫流BLの極みと言える、中国人ヒットマン李鷗 。久々に再読、記憶違いも沢山あったが、やっぱりいい。李歐よ、君は大陸の覇者になれ、僕は君についていく夢を見るから。 李歐 高村薫 講談社 780円 Amazonで購入書評 先日レビューした佐藤亜紀…