⭐︎⭐︎⭐︎ 前回レビューに書きましたように、高遠弘美氏訳の光文社古典新釈文庫版「失われた時を求めて」は現在第六巻までしか刊行されていません。そこで、せめて第三篇「ゲルマントのほう」だけでも読みきっておこうと思い、進行を同じくする岩波文庫版で第七…
⭐︎⭐︎ 朝井リョウを読むシリーズ、今回は「星やどりの声」です。 星になったお父さんが残してくれたもの―喫茶店、ビーフシチュー、星型の天窓、絆、葛藤―そして奇跡。東京ではない海の見える町。三男三女母ひとりの早坂家は、純喫茶「星やどり」を営んでいた…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 朝井リョウを読むシリーズ、今回は朝井リョウが本領を発揮する学園群像劇「少女は卒業しいない」です。 今回は舞台を廃校が決定した田舎の高校の卒業式の一日に絞り込み、その早朝から次の夜明けまでに起こる七つの物語で、七人の少女の七つの別れ…
⭐︎⭐︎⭐︎ 本が好き!で風竜胆さんがレビューしておられて、え、今頃新作?と驚きました。私の大好きな米澤穂信の11年ぶりの「小市民」シリーズ新作「巴里マカロンの謎(THE PARIS MAKARON MYSTERY)」です。 ご存知ない方のために一応説明しておきますと、この…
⭐︎⭐︎⭐︎ もう「その昔」と呼ばないといけないのかと時代の流れを感じますが、フジテレビが隆盛を誇っていた頃の看板番組の一つに、タモさんが司会進行役をつとめる「世にも奇妙な物語」がありました。日本版「ヒッチコック劇場」とでもいうべき内容で、君塚良…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ Already with thee! tender is the night, ------- But here there is no light, Save what from heaven is with the breezes blown Through verdurous glooms and winding mossy ways. (Ode to a Nightingale by John Keats) すでにして汝(なれ)…
先日貸し出し試聴させて頂いたマランツのプリメインアンプPM-10、ルーツサウンドさんを通じて正式注文していたのだが、昨日無事到着した。 アキュフェーズほどではないが、立派で頑丈な箱に収まっている。白はSA10も同じだったので、マランツ色かな。 開封。…
現在使っているオーディオ用タップはハッベルの4個口のしっかりしたものだが、もう20年以上使用しており、さすがに経年劣化は否めない。 そこでオーディオ断捨離を機にこれも買い換えることにした。オーディオ用と称するバカ高いタップはもとより眼中になか…
Marantz SA-10を購入した時から対になるプリメインアンプPM-10のことは気になっていたのだが、SA-10自体は素晴らしいプレーヤーだが物理的特性としてマランツとアキュの相性があまり良くない感じがする(特に音量調整)ことが気になった。そこでルーツサウン…
⭐︎⭐︎⭐︎ 朝井リョウの作品をボツボツと読み進めているが、今回はこの「武道館」。AKB48が隆盛を極めた時代の女性アイドルグループの成立から「武道館」公演を成功させるまでを、いつものようにちょっと斜に構えるのではなく、もうど真ん中どストライクを狙っ…
⭐︎ 本が好き!で塩味提督が褒めておられた本。ブックオフ で見かけたので買って読んでみた。よくできた和製ハードボイルド風味誘拐ミステリではあるのだが、私には合わないなあ、というのが率直な感想。 いきなり不祥事で警察を辞め離婚もしたらしい中年男が…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 「The Story of Your Life(あなたの人生の物語)」でアメリカSF界を席巻したTed Chiang(テッド・チャン)待望の新刊「EXHALATION(息吹)」である。彼の作品はハイレベルのハードSFであり、訳なしで読むのは相当難しいと前作で感じたので、今回は邦…
断捨離ほぼ終了後、2020/01/19 2019年末から進めていたオーディオ断捨離が今日で一段落した。スピーカー、CDPを入れ替えたのをはじめとして、先日ディスクユニオンに700枚ほどのLPを送り出し、本日オーディオユニオンとオーディオサウンドにアナログ一式やス…
マランツSA-10購入者対象のキャンペーンに応募していたが今日、保証書とともに届いた。 オーディオクエスト社のケーブルは、マランツの試聴室で音決めに使われているということで、いわばマランツの標準ケーブルである。 WATER RCA1.5Mは調べてみると標準価…
⭐︎⭐︎⭐︎ 2020年初のブックレビューである。思い起こせば、去年の今頃は佐藤亜紀の作品群に没頭していた。その最新刊を年初に持ってこれるのは大変うれしいことで、満を持して読んだ。 「吸血鬼」でヨーロッパの落日を描き切り、一転して「スウィングしなけり…
Welcome New-Comers! 2019年末にメインのオーディオシステムを変更した。数年前にルーツサウンドさんで聴いた故フランコ・セルブリン氏の遺作のアッコルドがとても素晴らしく、いつかはこれを買うだろうという予感があり、その後何回か聴いて益々その感を強…
Accordoの開封から組み立てまで 2019/12/29 Dynaudio Sapphireが引き取られてやってきた後継器が、STUDIO FRANCO SERBLINのAccordo。ルーツサウンドさんが拙宅で組み立てて下った。美しいフォルムに惚れ惚れする。本体8kg、スタンド8kgと軽量なのも有難い。…
Dynaudio Sapphire 0402/1000 2019/12/29 今日でDynaudio Sapphire(サファイア)ともお別れ。無事にルーツサウンドさんに引き取られていった。2008年7月からだから11年5か月、ありがとう、美しいフォルムとレベルの高い再生音で楽しませてくれて。 Dynaudio…
前段機器 パワーアンプ+スピーカー SACD/CD player : Accuphase DP700 Digital VQ/EQ: Accuphase DG58 (⇄ HSーlink ⇄ DP700) Analog player: Roksan Xerxes 20 + Lyra Kleos Phonoequolizer: Accuphase C27 (→ Mitsubishi BL-1→ DG58) DD Converter for iP…
⭐︎⭐︎⭐︎ 畠中恵さんのしゃばけシリーズ文庫版最新刊の第16巻。今回も短編五篇の構成。若だんなの父大店長崎屋の主人藤兵衛が倒れたという設定で、一太郎の成長を促す回となっている。藤兵衛の倒れ方と最終的な治り方にかなり無理があるが、それぞれの作品はよ…
Time: 20191217 19:00- Place: KYOCERA-DOME OSAKA GOODS Entry Live1 Live2 Live3 Live4 Live5 Live7 Live8 Live9 Live10
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 光文社古典新釈文庫版「失われた時を求めて」は2019年末現在六冊が刊行されており、現時点での最終巻となる。本巻には第三篇「ゲルマントのほうへ(I)」の後半と「同(II)」の前半が収められている。 三冊(予定)に分かれたちょうどつなぎとなる巻…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ フランス文学の傑作にして長大な「失われた時を求めて」も第三篇「ゲルマントのほうへ」に入る。第五巻はその「I」で、これまでもたびたび憧れの人として顔を見せていたゲルマント公爵夫人への恋心を主人公が募らせていく模様が語られる。 なにせマ…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ マルセル・プルースト畢生の大作「失われた時を求めて」、艱難辛苦しながらも読み進めていき、気がつけば早や第四巻。「花咲く乙女たちのかげに」も第二部「 土地の名・土地」に移る。「土地の名・名」が「私」の空想でしかなかったのに対応し、つ…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ マルセル・プルースト畢生の大作「失われた時を求めて」も第三巻に入り、第二篇「花咲く乙女たちのかげに」が始まる。本巻には第一部「スワン夫人のまわりで」が収録されている。 まだ「花咲く乙女たち」は登場せず、第一部の「土地と名 ー名ー」の…
⭐︎⭐︎⭐︎ マルセル・プルースト畢生の大作「失われた時を求めて」、光文社古典新訳文庫(高遠弘美訳)第二巻は第一篇「スワン家のほうへ」の残る二部 第二部 スワンの恋 第三部 土地の名・名 が収められている。超難解な第一部「コンブレー」に引き続き、文章…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 「数多の挫折者」を出してきたことで有名なマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」、それも3000Pの超大作ながら初めの数十Pで大抵の人は脱落するという大変な「20世紀文学の金字塔」。 前回レビューした「第一篇 スワン家の方へ I 第一部 コ…
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 読書好きなら誰もがその名前は知っている「A la recherche du temps perdu 失われた時を求めて」、フランスの作家マルセル・プルーストが1922年に亡くなるまでの約15年間をこの一作のためだけに費やし、原稿3000枚以上、日本の400字詰め原稿用紙10,…
⭐︎⭐︎⭐︎ 絵画を見るのが好きで、よく美術展に行く。始まりは学生時代に美術教科書で見たモネの「日の出 ー印象ー」だったが、そこから印象派〜ポスト印象派〜キュビズム〜バウハウス〜モダンアート等々と派生していった。 逆に時代を遡るのは苦手で、西洋のい…
⭐︎⭐︎⭐︎ 新海誠の最新映画「天気の子」の小説版。監督自身によるノベライズ版なので、基本的には映画と同じもの。よってこの小説を映画と切り離して単体で読まれる方はまずおられないと思うので、「もう映画は観ている」という前提でレビューを進めていきたい…