Count No Count

続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

ドリームバスター / 宮部みゆき

⭐️⭐️⭐️

  久々の宮部みゆき。独り立ちした子供のクローゼットを整理していて二冊見つけ、せっかくなのでブックオフに売る前に読んでみることにした。一冊目は「ドリームバスター」。表紙絵からしてなにかジュブナイルもの、あるいは宮部が好きなRPG的な匂いがする。

 

『8歳のクリスマス・イブ、道子の隣家が火事で燃えた。炎の中で踊る奇怪な人影を、再び見たのは娘の真由と同じ夢の中だった。怖しい影は二人を追いかけてきた。その時助けが…。悪夢のなかで、追いかけられたことはありませんか?16歳のシェンと師匠のマエストロが、あなたとともに、あなたを救うために闘う愛と冒険の物語。(Amazon解説より)』

 

  所謂パラレルワールドものに近いSF。エヴァでいうファーストインパクト的なことが別の世界の地球型惑星で起こり、そこから「時間鉱山」的なところをすり抜けることができた人間はこの世界の人間の夢の中に入り込める、という設定。宮部みゆきだけに、やや荒唐無稽的なところはあっても、きっちりとその辺は説明され、第一部、第二部はこの世界の日本人の悪夢のケースレポート、第三部はあちらの世界が描かれる。

 

  が、もう本も終わりという段階になってきても、一向に物語は収斂する気配を見せない。。。単純に宮部みゆきの小説は作法にのっとり正しく進んでいき破綻なく完結する、という思い込みがあったのが間違いだった。

 

  なんと、この本「続く」で終わるのだ。急いで調べてみると、もう4巻出ており、そこで中断しているが、本人は6巻完結のつもりであるとのこと。せっかくの掘り出し物であったが、う~ん、面白いことは面白いけれど、あと三巻読むほどのことはないなあ。

 

 

『8歳のクリスマス・イブ、道子の隣家が火事で燃えた。炎の中で踊る奇怪な人影を、再び見たのは娘の真由と同じ夢の中だった。怖しい影は二人を追いかけてきた。その時助けが…。悪夢のなかで、追いかけられたことはありませんか?16歳のシェンと師匠のマエストロが、あなたとともに、あなたを救うために闘う愛と冒険の物語。(Amazon解説より)』