四畳半王国見聞録 / 森見登美彦
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究極の森見登美彦「四畳半」「腐れ大学生」シリーズ。もうここまでくると究極の阿呆小説、最初からトライするような無謀な真似はやめたほうがいい。モリミンを極めた人にのみ許される禁断の阿呆神世界。
光の指で触れよ / 池澤夏樹
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傑作「素晴らしい新世界」の続編で、林太郎が社内不倫をしてしまいアユミが幼い可南子(キノコ)を連れて欧州へ去ってしまうところから始まる破壊と再生の物語。今回も膨大な知識・知見を取り入れた教養小説となっているが、前作のような注意深い中立性を失っており、やや危険な部分もある。人物もそのために動かされている印象があり、前作ほどの魅力がない。やや不満の残る残念な出来だった。