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「有頂天家族」と表裏の関係をなす森見登美彦流ダーク・ファンタジー。傑作「夜行」 につながる要素満載。京都宵山を舞台とした六編の万華鏡のような物語の中で、金魚の赤が鮮やかに映える、好短編集。
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改めて手塚治虫先生の偉大な業績に感服した。
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現代ハードSFの代表的作家、グレッグ・イーガンの初期の短編集。日本独自の選択のため、扱うテーマや難解さの程度は様々で、得意の物理的分野より病院での仕事経験の方を感じさせる作品もある。しかしクオリティが一定していてイーガン・イズムがブレないところは凄い。
a collage made by rehab ward patients.
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「りかさん」の続編にして、梨木香歩文学の一つの到達点ともいえる壮大な作品。蓉子の祖母が他界し、りかさんも喪に服する。蓉子は祖母の家で友人女性三人と暮らすことになる。その家の結界、四人の女性それぞれの結界と繋がり、そして植物、動物の営み、染色、機織等々、これは完全に女性の結界の物語である。最後に紅蓮の炎の中に凄まじい「竜女」が完成する。りかさんはお浄土送りを終えて蛹から孵化して旅立つのだろう。