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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

樹影譚 / 丸谷才一

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村上春樹の「若い読者のための短編小説案内」で論じられていた六編の短編の中で最も興味をそそられた一編。語り手が丸谷から小説内作家へ変わっていきその作家による小説内小説に移り変わって最後にその作家が異界に落とし込まれる、その手腕は見事。

蜜蜂と遠雷 / 恩田陸

⭐️⭐️⭐️⭐️

 

今頃?と驚いた直木賞受賞作。さすがの表現力には舌を巻くが、コアなクラシック音楽ファンか、のだめカンタービレピアノの森が好きな人向け。

About Grace: A Novel / Anthony Doerr

⭐️⭐️⭐️⭐️

シェル・コレクター」「すべての見えない光」のアンソニー・ドーアの処女長編。予知夢を見る男の波乱万丈の人生。舞台はアラスカからカリブ諸島、そして25年の歳月を経て再びアラスカへ。最終章が深い余韻を残す。が、英語で読むと長い。

 

 

水鏡推理5 ニュークリアフュージョン / 松岡圭祐

⭐️⭐️

ラノベ・ミステリー職人松岡圭祐のシリーズ第五弾。驚きというかお笑いのサブタイトルのダブルミーニング。残念ながらこのシリーズ、もりあがりそうにない。