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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

童貞 / 酒見賢一

⭐️⭐️

    酒見賢一の中国史ものではあるのだが、異色の作品。太古の黄河の氾濫に悩まされるある邑は完全な母系社会で女尊男卑の世界。いきなり治水を成し得なかった男の酷たらしい処刑で始まり、それを見ていたある少年が成長とともにこの邑のしきたりを拒否し、村の女を拒否し、女性である黄河を犯し、支配しようと旅を始める。最後にこれは夏の禹の物語であることが示唆されるが、酒見氏はそんなことはどうでも良いことと嘯く。解説の激越さにも驚く。