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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

SF

スターウォーズ 最後のジェダイ

⭐️⭐️⭐️⭐️ 過去最高の映像と相変わらず単純なイデオロギーと。最後はやっぱり自己犠牲とチャンバラか、みたいな。ソロの息子が存在感を増していたのは立派なもの、キャリー・フィッシャー追悼のエンドロールが泣かせる。 http://eiga.com/movie/84134/

ブレードランナー2049

⭐️⭐️⭐️ SF映画の名作ブレードランナーの続編がついに公開された。ドゥニ・ヴィルヌーブ監督、ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、それぞれに良かったし、映像も見事だったが、ストーリーの単純さの割に長過ぎた気がする。また、映画.comなどで予習が…

しあわせの理由 / グレッグ・イーガン、山岸真編・訳

⭐️⭐️⭐️⭐️ グレッグ・イーガンの日本オリジナル短編集「祈りの海」に続く短編集。二冊目でも全くクオリティの落ちないイーガンの凄さ!SFとしては易しく哲学的に深い作品が多いので、SFファンでなくても十分楽しめる。象徴主義の画家クノップフの「愛撫」を題…

ロミオとロミオは永遠に / 恩田陸

⭐️⭐️⭐️ 恩田陸が早川書房のJシリーズに書いた近未来ディストピアSF。そのハチャメチャ振りは、本人が「書いた時はハッピーエンドだと思ったけど文庫版出版の際に読み返してみて暗いので書いた自分がびっくりしている!」というくらいぶっ飛んでいる。なお、…

美しの神の伝え / 萩尾望都

⭐️⭐️⭐️ これも「ピアリス」と同じく、萩尾望都SF原画展を契機に発売された新刊。全くの新作ではなく以前からある「音楽の在りて」という短編小説集13作品に「クリシュナの季節」「左手のパズル」とショート漫画「いたずら らくがき」の三作を追加したもの。…

ピアリス / 萩尾望都

⭐️⭐️⭐️ 萩尾望都SF原画展をきっかけに初書籍化された、未完の小説。1994年当時多忙を極めていた萩尾望都が文章だけなら書けるが自信はないとのことで「木下司」名義でイラストを萩尾望都担当という事にして角川書店の「The Sneaker Special」という雑誌に4…

もののあはれ / ケン・リュウ

⭐️⭐️⭐️⭐️ 文庫化にあたり二つに分けられた第2短編傑作集。やっとケン・リュウのSFを堪能できた。でもテッド・チャンやグレッグ・イーガンの影響受けすぎ。これからどれだけオリジナリティを出していけるかだなぁ。そういう意味ではチャイニーズ・スチームパ…

紙の動物園 / ケン・リュウ

⭐️⭐️ アメリカの若手SF作家ケン・リュウの短編傑作集。元々日本独自で編集された同名本が大好評で文庫化にあたり二分割された。こちらはファンタジーが主体。トリプルクラウンの表題作はそれほどでもなかったが、文字占い師(The Literomancer)は題名にも内容…

祈りの海 / グレッグ・イーガン、山岸真訳

⭐︎⭐︎⭐︎ 現代ハードSFの代表的作家、グレッグ・イーガンの初期の短編集。日本独自の選択のため、扱うテーマや難解さの程度は様々で、得意の物理的分野より病院での仕事経験の方を感じさせる作品もある。しかしクオリティが一定していてイーガン・イズムがブレ…

ディアスポラ / グレッグ・イーガン

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ ハードSFの旗手グレッグ・イーガンの代表作の一つ、文学としてのSFを終わらせるような「史上最も難解なSF」(1997年当時)。宇宙における人類の存在意義や宇宙自体の意味を問うた小説は数あれど、ここまでの理論的高みに達した作品はまずないだろう…

マリコ/マリキータ / 池澤夏樹

⭐︎⭐︎⭐︎ 池澤夏樹の五編からなる短編集。表題作はグアム島が舞台で個人的な思い出とリンクして楽しかったが、真の傑作は最後の「帰ってきた男」。短編ハードSFとしてかなりいい線いってると思う。

Lion Loose / James Schmitz

⭐︎⭐︎ 日本ではあまり知られていないアメリカのSF作家の二流スペースオペラ。恐怖の異生物Hlatはなかなか魅力的ではあるのだが、全体的な構成に難あり。