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備忘録、採点表

怖い絵展 @ 兵庫県立美術館

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兵庫県立美術館で開催中の「怖い絵展」、中野京子の「怖い絵」シリーズ本の絵画を展示する企画、アイデアがなかなかいいので人気になっている。だから正直なところ大した絵は来ていないのだが、やはりドラローシュの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」(1833)は圧倒的な迫力があった。ジェーン・グレイのドレスの白が際立つ。

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有頂天家族 二代目の帰朝 / 森見登美彦

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  三部作構想の「有頂天家族」の第二部。赤玉先生の二代目や夷川家の長男、怪しげな幻術師など続々と新キャラが現れ、海星が姿を見せない理由も明らかにされ、あの三階建自家用叡山電車も登場し、やっぱり最後は大騒動に。地の文がしっかりブンガクしているからこそ面白い「阿呆の血のしからしむる」モリミンワールド。

 

有頂天家族 / 森見登美彦

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  森見登美彦の京都ものの人気ナンバーワンシリーズ。ツイッターを見るとそろそろ第三作を書かれるようなので再読。何度読んでも「阿保の血のしからしむる」狸族、下鴨家四兄弟、宿敵夷川家の阿呆兄弟・金閣銀閣、落ちぶれた天狗赤玉先生と人間から天狗へ化身中の残酷な美女弁天たちの織りなす世界は抱腹絶倒、ホロリともさせておいて、最後に人間界をも巻き込む大騒動へなだれ込む。「面白きことは良きことなり!」傑作である。

 

静かな大地 / 池澤夏樹

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    コスモポリタン池澤夏樹がついに自分の故郷「静かな大地 アイヌモシリ」北海道と自らのルーツを壮大に描き上げた傑作。和人に迫害され続けるアイヌ人たちとその側に立った淡路からの入植者宗形三郎志郎兄弟の苦闘の生涯と苛烈な運命を、志郎の娘由良がまとめ上げるその文章は後半になるに連れて息苦しいほど過酷なものになっていく。涙無くして読めないこの作品の内容の多くが事実であった、という作者のあとがきが胸を刺す。

祈りの海 / グレッグ・イーガン、山岸真訳

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    現代ハードSFの代表的作家、グレッグ・イーガンの初期の短編集。日本独自の選択のため、扱うテーマや難解さの程度は様々で、得意の物理的分野より病院での仕事経験の方を感じさせる作品もある。しかしクオリティが一定していてイーガン・イズムがブレないところは凄い。