怖い絵展 @ 兵庫県立美術館
祈りの海 / グレッグ・イーガン、山岸真訳
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現代ハードSFの代表的作家、グレッグ・イーガンの初期の短編集。日本独自の選択のため、扱うテーマや難解さの程度は様々で、得意の物理的分野より病院での仕事経験の方を感じさせる作品もある。しかしクオリティが一定していてイーガン・イズムがブレないところは凄い。
Fireworks of a Summer Night
a collage made by rehab ward patients.
からくりからくさ / 梨木香歩
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「りかさん」の続編にして、梨木香歩文学の一つの到達点ともいえる壮大な作品。蓉子の祖母が他界し、りかさんも喪に服する。蓉子は祖母の家で友人女性三人と暮らすことになる。その家の結界、四人の女性それぞれの結界と繋がり、そして植物、動物の営み、染色、機織等々、これは完全に女性の結界の物語である。最後に紅蓮の炎の中に凄まじい「竜女」が完成する。りかさんはお浄土送りを終えて蛹から孵化して旅立つのだろう。
りかさん / 梨木香歩
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梨木香歩流の人形のお話し。りかさんはリカちゃん人形ではなく、日本古来からの「形代(かたしろ)」としての漆黒の髪の市松人形である。「アビゲイルの巻」も良かった。併録の「ミゲルの庭」は「からくりからくさ」と関係してくるのだが、男の私には今一つ。