シンドローム / 鬼束ちひろ
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長いブランクを経ての「剣と楓」以来久々の新作。2011年の神戸でのコンサートでもうだめだなと思っていただけによく帰ってきたなと思う。しかし声質が変わった、独特の狂気を孕むようなハイトーンが影を潜め凡庸な声になってしまった。あの声で相変わらずの難解な歌詞を歌われても心に染み入ってこない。しかしとにもかくにも復活おめでとう。初回限定のライブ盤もやはり歌えないところはわざと崩してごまかしてはいるものの一聴の価値あり。
不時着する流星たち / 小川洋子
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小川洋子の新作。ヘンリー・ダーガー、パトリシア・ハイスミス、グレン・グールド、エリザベス・テイラー、牧野富太郎等、実在の人物や出来事を題材をとって小説世界を構築した短編10編が収められている。で、十話とも現実と非現実の狭間を行きつ戻りつするような、独特の美しくて醜くて残酷で暖かいまぎれもない彼女独自の世界。まあ結局何を題材に書いても小川洋子になるのだな。
アドルフ・ヴェルフリ展@兵庫県立美術館
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二萬五千頁の王国 ファンタスティック・
兵庫県/特別展「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」(兵庫県立美術館)
下はヤノベケンジのSUN SISTER