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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

ICO イコ霧の城 / 宮部みゆき

⭐️⭐️

  クローゼットから発掘した宮部みゆきの二冊目は「ICO」。RPGで有名なICOのノベライズである。うちの子がやっていたのは時々見ていたが、寒色系で繊細なグラフィックの印象的な作品だった、と記憶している。宮部みゆきもこのICOの大ファンで、SCEの制作部に直接交渉して許可を得たそうである。

 

『何十年かに一人生まれる、小さな角の生えた子。頭の角は、生贄であることの、まがうことなき「しるし」。十三歳のある日、角は一夜にして伸び、水牛のように姿を現す。それこそが「生贄の刻」。なぜ霧の城は、角の生えた子を求めるのか。構想三年。同名コンピュータゲームに触発されて、宮部みゆきがすべての情熱を注ぎ込んだ、渾身のエンタテインメント。 (Amazon解説より)』

 

 

  というわけで当たり前なのだがプロットがいかにもRPGである。おそらくかなり忠実に原作のストーリーを追っているので、その世界観の概要が見えてくるまでかなり時間がかかる。

 

  そして主要ダンジョンである「霧の城」を一生懸命描写しておられるが、さすがに文字だけでそのややこしすぎる構造を描くには無理があり過ぎる。ここはやっぱり冒頭にダンジョンマップを入れてほしかった。

 

  というわけで宮部さんの熱意と努力は分かるけれど、オリジナルストーリーではないし、ICOはやってないしで、全く物足りなかった。ゲームをやれば再読してみる気になるかもしれないけれど、PS2もゲームも残ってないし残念。