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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

泣き虫弱虫諸葛孔明 第5部 / 酒見賢一

 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

 嗚呼、星落秋風五丈原。泣き虫弱虫変質者、そして最高にダンディイな諸葛亮孔明の講談、これにて机を叩くを、さて、終えなん!酒見賢一渾身の最終巻、五丈原での孔明の病死までを面白おかしくと真面目さを両立させて描き切った、その力量に脱帽。

 

  本巻冒頭で酒見は柴田錬三郎の文章を引用している。

孔明は、生涯、一度も腰に剣を佩びず、鉄甲を胴につけなかった。それだけでも、孔明が、いかに、真のダンディイであったか明白である。



それに対する酒見賢一らしい返しがこれだ。

孔明がダンディであったかは、各自、ご判断いただきたい。弱くて、泣いてばかりでも、ダンディズムがないわけではない。