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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

ふうらい姉妹 / 長崎ライチ

⭐️⭐️⭐️

  あかつき姐さんのレビューを見て速攻で買った、ホノボノ系ギャグ漫画。

 

  長崎ライチという漫画家は全く存じ上げなかったが、姉妹による漫画ユニットで姉が原作担当、妹が作画担当だそうである。ちなみにこの漫画が作者初の単行本となったそうで、Wikipediaによると

 

美人だが感覚が常識からズレている姉・山本れい子と、しっかり者に見えるが感覚がズレている妹・山本しおりのおかしな日常を描いたギャグ漫画。姉の天然ボケに対して妹がツッコミを入れるやりとりが繰り広げられるが、その妹も姉に似て天然ボケの気があり、周囲に波紋をもたらす。少女漫画風の絵柄で美貌の姉妹が描かれているので、表面的にはギャグ漫画には見えないが、「並のギャグ漫画以上に狂った作品」との評価もある。

 

だそうである。基本4コマ漫画で、二つで一話の8コマ漫画の時もある。だから長くて8コマの中にギャグが一つは入っているわけで、テンポが良い。そしてそのギャグと、いかにもな少女漫画風の主人公二人の見かけのギャップが面白い。

 

  とくに「美人だけど阿呆の残念な姉(帯より)」山本れい子のセリフは破壊力抜群である。

 

「姉妹似てるって言われるのは、嬉しいわね。多分、いでんこのなせる業ね」
 (妹に博識ね、と言われて、博識の意味が分からず)
 「そうよ……。お姉ちゃんははくしきの傾向があるの」

 

  (妹にアマチュアレスリングとプロレスの違いを訊かれて)

「恥じらいがあって胸を隠しているのがアマチュア、パンツ一丁で潔いのがプロレスよ」

 

  (浦島太郎について)

「はっ、あんな昔に苗字を!?浦島のやつ庶民のふりしやがって」

 

  ここでしっかり者の妹がツッコミを入れれば普通の漫才風になるわけだが、その妹山本しおりも、「しっかり者に見えて阿呆な勿体ない妹(帯より)」なので、「ダブルぼけ」漫才となってしまう。ダブルぼけと言えば笑い飯なんかが代表的だが、う~ん、まあ、あれの女版というわけでもなく、あかつき姐さん曰くの

 

「突っ込みがあるようでないような緩やかで穏やかな(?)世界」

 

が繰り広げられている。

 

  ちなみにこの姉妹以外の家族は全く登場しないので、どういう家庭かは全く不明。ふうらい、というくらいだからあちこちを転々としているのかといえば、そうではない。固定したキャラクターが周囲にいる。とくに画家の馬七馬七(ばななばひち)先生は秀逸であるし、しおりが憧れる同級生高橋タケル君はいいやつである。

 

  というわけで読後感の良いギャグマンガであった。では第二巻、第三巻を買うかというと、さてどうしたものやら。。。