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続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

美しい星 / 三島由紀夫

⭐️⭐️⭐️⭐️

  三島由紀夫が冷戦時代に書いた異色SF。UFOを見た家族が自分たちが宇宙人だと信じ込み人類啓蒙救済を目指すが、一方同じくUFOを見た仙台の助教授たち三人も宇宙人であることを悟るが逆に人類は滅亡すべきだと考える。両者を仲介する右翼半日教組政治家(中曽根康弘がモデル)が偶然仲介する形になり、両者の「大審問官」を思わせる論戦が始まる。そこがハイライトではあるが、前~中盤のライトなユーモア、UFOなどのサブカルチャーに興味があった三島の一面、やはり他を圧倒する美文、このあたりも読みどころ。