Count No Count

続 ゆうけいの月夜のラプソディ 的な

聖なる怠け者の冒険 / 森見登美彦

⭐︎⭐︎⭐︎

 シリアスな幻想小説だった「夜行」とは対極にある、いつもの森見登美彦節が楽しめる京都シリーズ。「有頂天家族」「宵山万華鏡」と通底するとの作者弁だが「夜は短し歩けよ乙女」と表裏一体な感じがする。「僕は人間である前に怠け者なのです」の主人公と「マグロのように泳ぎ続けて疲労の向こうに突き抜ける」ぽんぽこ仮面の対比が面白い。